イスラエル軍が26日夜に実施したパレスチナ自治区ガザ最南部ラファの北西部への空爆により、避難民が密集している地区で火災が発生し、子供や女性、高齢者を含む少なくとも45人が死亡した。(2024年 ロイター/Mohammed Salem)
イスラエル軍が26日夜に実施したパレスチナ自治区ガザ最南部ラファの北西部への空爆により、避難民が密集している地区で火災が発生し、子供や女性、高齢者を含む少なくとも45人が死亡した。国際司法裁判所(ICJ)がラファ攻撃の即時停止を命じた後も攻撃を続けるイスラエルに対し、国際的な非難が高まっている。
イスラエルは空軍がラファにあるイスラム組織ハマスの拠点を攻撃したと表明。避難民らによると、数千人の避難民が密集しているラファ中心部に近いテル・アル・スルタン地区が攻撃を受けた。ロイターが入手したビデオ映像には、暗闇の中で燃え盛る火災の中でパニックに陥って悲鳴を上げる人々の姿が映っている。
イスラム組織ハマスの保健当局によると、死者の半数以上が女性、子供、高齢者だった。重度の火傷を負った人がいるため、死者数は増える恐れがあるとしている。
<ネタニヤフ首相、調査実施を表明>
イスラエルのネタニヤフ首相は27日、ラファへの空爆に民間人の犠牲者を出す意図はなかったとし、調査を行うと表明。議会での演説で「非戦闘員に危害を加えないよう最大限の努力を払ったにもかかわらず、残念ながら悲劇的な事態が発生した」とし、「調査を実施し、結論を出す」と述べた。
米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)報道官は「イスラエルにはハマスを追及する権利がある」としながらも、イスラエルは民間人を守るためにあらゆる予防措置を講じなければならないとし、調査実施を求めた。
<国際社会の非難相次ぐ>
欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は、ICJの命令は尊重されなければならないと指摘。フランスのマクロン大統領もイスラエルはラファに対する作戦を中止しなければならないとしたほか、ドイツのベーアボック外相は「国際人道法は全ての者に適用される。イスラエルの戦争遂行にも適用される」と述べた。
アラブ諸国からも非難が相次いでおり、エジプトが国際法の明白な違反としたほか、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)も非難。カタールはラファへの攻撃で休戦と人質交換の実現に向けた取り組みが妨げられる恐れがあると警告した。
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