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白昼の屋外で国のリーダーが銃撃されました。スロバキアの首相はなぜ狙われたのでしょうか。

■スロバキア首相を“銃撃” 男を拘束

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銃撃事件直前、政府の会合に出席していたスロバキアのフィツォ首相です。その会合のあと、集まった人たちに近寄った時でした。

男がフィツォ首相に至近距離から発砲。その場で取り押さえられ拘束された男。

地元メディアなどによると、容疑者は71歳の男でショッピングモールの元警備員。作家、あるいは詩人とも報じられています。

フィツォ首相が集まった人たちに近づき、握手した時を捉えて、男は5発発砲したとみられています。

複数のメディアは、そのうちの1発がフィツォ首相の腹部に当たったと報道。映像では、フィツォ首相とみられる人物が倒れ込む姿が確認できました。

現場にいた人
「彼(フィツォ首相)が柵の前で倒れました。これは悪夢だと思いました」

銃撃された直後、両脇を抱えられて車の後部座席に乗せられたフィツォ首相とみられる人物。スロバキアの副首相は、BBCの取材に「手術はうまくいった。現時点では命に別状はない」と話していますが、詳しい容体はわかっていません。

フィツォ首相はなぜ狙われたのか?

(佐藤裕樹記者報告)
「衝撃的な事件から一夜明け、スロバキアのメディアは各紙一面で大きく伝えています。容疑者の男は事件後、警察署で政府の政策に同意できないものがあったと話したということです」

安倍元総理と会談したこともあるフィツォ首相は、去年の総選挙で、ウクライナへの軍事支援の停止などを訴えて政権をとり、再び首相に就任。ロシア寄りとされています。

スロバキア政治に詳しい 成城大学法学部 福田宏教授
「フィツォ首相という政治家は、弱者に優しいということで支持を得てきたところがある。ただ一方では、非常に攻撃的な物言いがあったり、表現の自由とかそういう規制をかけるとか、EU的な価値観とか人権などの面で問題があるのではないかとか、社会の分断を招く政治家の一人。ある意味、敵が多かった」

スロバキアのエストク内相は、「犯行は4月の大統領選後に決められた政治的な動機」だと発表。その大統領選では、フィツォ首相に近い人物が勝利していました。

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