日本と米国が共同開発した弾道ミサイル対応の迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の発射試験=2022年11月(米国防総省提供)

 日米両政府は15日、極超音速兵器を迎撃するための新型ミサイルの共同開発について、日米の担当分野などを定める取り決めに署名した。2024年度中に開発に着手する方針で、30年代の完成を目指す。

 極超音速ミサイルはマッハ5(音速の5倍)以上の超音速で飛行し、既存のミサイル防衛システムでは捕捉や迎撃が難しいと指摘されている。

 今回開発するのは発射後に分離され、滑空する弾頭を迎撃するミサイル。取り決めでは、日本側は迎撃ミサイルのロケットモーターや、相手のミサイルを破壊する弾頭部分の推進装置を担当。米側はミサイルの探知や誘導装置などを担当する。防衛省は今後、日本側で開発を委託する企業を選定する。

 日本周辺では中国やロシア、北朝鮮が極超音速ミサイルの開発を進めているとされ、迎撃態勢の強化が急務になっていた。

 岸田文雄首相が23年8月に訪米してバイデン米大統領と会談した際、共同開発を開始することで合意し、日本政府は24年度予算で750億円を計上。米国防総省は共同開発費の総額を30億ドル(約4700億円)超と推計している。【中村紬葵】

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