12日、ワシントンで演説するバイデン米大統領(AP=共同)

【ワシントン=坂本一之】バイデン米大統領は12日、イランによるイスラエル攻撃が「すぐにでもあり得る」との認識を示した。ホワイトハウスで記者団に語った。イランは在シリアのイラン大使館が1日にイスラエルの空爆を受けたとして報復を宣言しており、情勢が緊迫している。

バイデン氏はイランに「(攻撃を)やめろ」と警告し、「米国はイスラエルの防衛を支援する。イランは成功しないだろう」と述べた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は12日、米軍がイランの報復攻撃に備え、ミサイル防衛システムを搭載したイージス駆逐艦など2隻を再配置したと報じた。

イスラエル紙ハーレツ(同)によれば、ネタニヤフ首相は12日に安全保障会議を招集。軍報道官は「イランによる攻撃のさまざまなシナリオについて計画が承認された」と説明している。

インドやフランス、ポーランドなどは関係地域に渡航しないよう自国民に勧告を出した。

1日の在シリア・イラン大使館への空爆ではイラン革命防衛隊の幹部司令官らが死亡。イランの最高指導者ハメネイ師は「罪を後悔させる」と報復を宣言した。イスラエルはパレスチナ自治区ガザでイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘を続けており、イランが報復に出れば中東情勢の混迷に拍車がかかる。

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