イランによる空からの攻撃をイスラエル軍は防空システム「アイアンドーム」で迎撃した=エルサレムで4月14日午前1時46分、松岡大地撮影

 イスラエル軍が、防空システム「アイアンドーム」でイランによる攻撃を迎撃する様子は、イスラエルの大統領官邸に近い毎日新聞のエルサレム支局からも確認できた。

 4日午前1時40分ごろ、支局にいた記者は、外で鈍い爆発音がするのを聞いた。窓からのぞくと、夜空に10発以上の閃光が次々と走っているのが確認できた。階段を下りて外に出ると、間もなくサイレンが鳴り響き、「ボン」「ボン」という爆発音が響いた。アイアンドームがイランの攻撃を迎撃した音だ。外を歩いていた人は、慌てて支局があるアパートの中に駆け込んできた。

 記者は歩道に出て、写真や動画の撮影をしていたが、住民から「早く中に入れ」「頑丈なシェルターは別のアパートにあるから走れ」と大声で促された。

 記者が写真を送信するため、支局のアパートの階段を駆け上がると、2階の踊り場ではパジャマ姿の10歳くらいの女の子が不安そうな様子で母親に抱き寄せられていた。

 アパートの中に駆け込んできた男性(18)は「仕事から帰る途中、タクシーを呼ぼうと思っていたら、サイレンが鳴ったので走ってきた。このサイレンの音はいつ鳴っても嫌だ」と話した。その後、記者は支局に戻ったが、恐怖からしばらく息が上がり、足の震えが止まらなかった。

 エルサレムの旧市街はユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地となっており、イスラエルの省庁や国会もある。パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスも、エルサレムへの攻撃を極力避けており、エルサレム周辺が攻撃の対象となるのは異例だ。【エルサレム松岡大地】

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