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 大谷翔平選手の口座から不正送金したなどの罪で訴追された、元通訳の水原一平被告が検察との司法取引で有罪を認めました。そもそも「司法取引」とは何なのか、外報部・中丸徹デスクに話を聞きます。

■水原容疑者の量刑“6〜7年”予測も

(Q.アメリカの司法取引とはどういうものでしょうか?)

司法取引とは この記事の写真 中丸デスク
「やや複雑ですが、ひとことで言うと“裁判で争わずに罪を認めてもらう代わりに、刑を軽くする”という制度です。なぜそんなことをするのかというと、検察側に大きなメリットがあって、それは大きくは『スピード』と『情報』です」 「スピード」と「情報」 「今回の水原被告の件ですと、そもそもは当局が“違法賭博の実態”を捜査していたところ、大谷選手の口座からの送金があったと。そこから水原被告の行為が浮かび上がった。当局のメインターゲットは違法賭博の“大元”であって、その過程の一部に過ぎない水原被告の事件に関しては、裁判に時間をかけたくない早く終わらせたいというのが本音です。さらに、水原被告から違法賭博に関する情報が引き出せれば、捜査がうまく進むかもしれないということもあり、『情報を出せば刑を軽くしますよ』と司法取引を持ち掛けた可能性もあるんです」

(Q.「情報を引き出す」イメージがありましたが、スピードという観点もあるんですね)

アメリカでの刑事事件は… 中丸デスク
「そうなんです。日本では6年前から始まったばかりの制度で、むしろ情報を引き出すのが捜査当局のメインです。アメリカではスピードの方がメインです。なぜかというと、アメリカの人口は日本の3倍なのに、例えば強盗発生件数は100倍あるんです。犯罪の多いアメリカで治安を維持していくためには、こうした刑事事件をスピーディーに処理していかなければならない実情があり、実際、アメリカでの刑事事件は9割以上は司法取引で解決しています。むしろ、裁判が最後までいくのがまれというぐらいで、今回司法取引が成立したのもアメリカでは意外なことではないです」

(Q.司法取引は、被告側が持ち掛けることはあるのでしょうか?)

中丸デスク
「あるみたいです。用いるかの権利自体は検察側にありますが、被告側から『こんな情報があります』と持ち掛けるケースもあるみたいです」

(Q.水原被告の量刑はどうなっていきそうですか?)

専門家の予測は… 中丸デスク
「そこが注目なんですけれども、今回水原被告は事件が発覚して以降は事実を争う姿勢を見せていません。基本的には認めていますし、司法取引に応じたと。さらには『大谷選手にこれ以上迷惑を掛けたくない』『早く終わらせたい』と思っているのではということで、司法取引が成立したら、通常であれば最大で禁固33年の罪ですが、『司法取引が成立したことによって6〜7年に減刑されるのでは』という専門家の予測もあります」

(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年5月9日放送)

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