米国のトランプ次期大統領(共和党)は22日、西部アリゾナ州で開かれた保守系団体の集会で演説し、民主党が影響力を増す実業家のイーロン・マスク氏を「影の大統領」と呼んでいることに関して「(1期目に追及された)ロシア疑惑やウクライナ疑惑に続くでっち上げだ」と訴えた。憲法の規定で大統領には「米国生まれ」しかなれないことを挙げて、「私は安全だよ。彼は大統領になれないのだから」とジョークを飛ばした。
トランプ氏は「私が大統領権限をマスク氏に譲っているというでっち上げの話があるが、そんなことは起きていない。マスク氏はすばらしい仕事をしているけれどね」と述べた。
憲法には大統領の資格として「米国生まれ」「35歳以上」「14年以上の米国内居住」が明記されている。マスク氏は南アフリカ出身。米メディアによると、2002年に市民権(国籍)を取得したが、大統領にはなれない。
マスク氏は次期政権で政府外助言機関「政府効率化省(DOGE=ドージ)」を率いて、規制緩和や歳出削減に取り組むことになっている。大統領選後はトランプ氏と行動をともにすることが増え、連邦議会での法案審議にも介入。民主党は「選挙で選ばれてもいない人物が大統領のように振る舞っている」と批判を強めている。【ワシントン秋山信一】
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