米国のブロックチェーン(分散型台帳)分析企業「チェイナリシス」は19日、北朝鮮系ハッカー集団が今年の1年間に計約13億ドル(約2033億円)の仮想通貨(暗号資産)を窃取したとの分析結果を公表した。過去最多だった2022年の11億ドルを更新した。世界全体の24年の窃取額は約22億ドルで、その約6割を占める。北朝鮮は窃取した資金を核・ミサイル開発に充てていると指摘されている。
チェイナリシスによると、北朝鮮系ハッカー集団の仮想通貨窃取は17年から急増した。今年は仮想通貨取引所などに計47件のサイバー攻撃を仕掛け、中には日本企業が運営する取引所もあったという。
北朝鮮に対する国連の制裁の履行状況を監視する専門家パネルは今年3月公表の報告書で、北朝鮮が外貨収入の約半分をサイバー攻撃によって得ていると分析している。
11月には、韓国の警察が、19年に韓国の仮想通貨取引所から当時のレートで約580億ウォン(約64億円)相当の仮想通貨が窃取された事件について、北朝鮮側の犯行と発表した。
国連の専門家パネルは、ロシアが任期延長に関する決議案に拒否権を行使したため、今年4月末に活動停止に追い込まれた。このため北朝鮮の動きに対する監視の目が弱まったとの懸念がある。【ソウル福岡静哉】
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