米連邦議会=ワシントンで2018年4月9日、高本耕太撮影

 米連邦上院は18日、2025会計年度(24年10月~25年9月)の国防予算の大枠を決める国防権限法案を賛成多数で可決した。総額は、過去最大となる前年度比約1%増の約8950億ドル(約138兆円)。連邦下院では既に可決しており、バイデン大統領が署名して成立する。

 軍拡を進める中国を念頭に、インド太平洋地域での米軍の能力を高める「太平洋抑止イニシアチブ(PDI)」に155億ドルを充てる。前年の147億ドルから増額された。台湾への3億ドルの支援も盛り込まれた。また米政府に対し、在日米軍司令部の「統合軍司令部」を設置することに関する計画を策定するよう求めた。

 米国が後ろ盾となってきたイスラエルのミサイル防衛を支援するため、5億ドルの拠出も盛り込んだ。さらに米国防長官らが、防衛に関する情報をイスラエルに提供し、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの幹部の拘束や殺害などを支援することも求めた。

 一方、ロシアが侵攻したウクライナ関連では、米政府が連邦議会に対して、米国がウクライナ支援を停止した場合に起こりうるケースなどについて報告することを求めている。

 また、米軍の待遇改善で下級の兵士の給与を14・5%、それ以外を4・5%引き上げる。【ワシントン松井聡】

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