4月に行われた岸田総理の国賓待遇での訪米。注目された首脳会談や議会演説を前に、岸田総理は現地到着翌日の4月9日(日本時間10日)、日米の大学生らとの対話の場を設けました。筆者は日本からワシントンの大学に留学している1人として対話に参加しました。

冒頭、岸田総理は自身が小学生時代に3年間アメリカで過ごした経験を振り返り、「言葉の壁や文化の違いに悩むこともあった」と述べつつ、「アメリカでの生活は私の人生にとって大きな財産となった」と話しました。

対話には、現地の日本人留学生や、JETプログラム(外国青年招致事業)を通じて日本で語学指導を行ったアメリカ人ら計11名が参加しました。参加者は日本とアメリカ両国での経験を元に今後どのように日米関係の発展に貢献していきたいか、それぞれの思いを岸田総理に伝えました。「アメリカで紛争解決教育を学んだ経験を活かして、平和構築に貢献したい」「国境越境型の医療ITシステムの実現を通じて、両国のヘルスケアの課題解決に取り組みたい」といった発言に、岸田総理は終始にこやかに耳を傾けていました。

質疑応答では、学生側から「アメリカの国際的な影響力が相対的に低下している中で、今後日本は世界でどのような役割を果たすか?」という質問が出ました。
岸田総理は「日本が東アジアとアメリカとの間で重要な架け橋となるだろう」と述べ、日本の国際的な重要性は今後さらに増していくとの見方を示しました。

対話の最後に、岸田総理は「どんな失敗や苦悩も、それが全て意味あるものだったと、自分の人生を通じて実感しています。これから先、どんな困難に直面しても、この言葉を忘れないでください」と参加者を激励しました。幼少期にアメリカでの困難を乗り越え、総理大臣として再び訪米し、日米友好の絆をさらに深めた岸田総理。自身の経験に基づく実感がこもった言葉でした。

アメリカ到着後すぐに、米企業CEOやバイデン大統領夫妻との重要な会合などの合間に、若者たちとの対話の場を設けた岸田総理。限られた時間ではありましたが、次世代に対する高い期待と、日米関係を長期的に強化したいとの情熱を感じました。

報告:アメリカン大学・立命館大学4年 桂和花 (JNNワシントン支局インターン)

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