山陰各地で新しい特産品を育てる動きです。島根県出雲市では、砂糖の原料「サトウキビ」の収穫作業が始まりました。

出雲市大社町にある農園で収穫されているのは、3メートルを超える高さに育った砂糖の原料「サトウキビ」。18日から収穫作業が始まりました。この農園は、出雲市の日系ブラジル人の滝浪実セルジオさんが、出雲市在住のブラジル人の働く場を確保しようと、6年ほど前に開設。ブラジルでなじみ深い野菜であるキャッサバのほか、3年前からはサトウキビも栽培しています。温暖な気候を好むサトウキビ。当初ハウスで栽培していましたが、暖かい場所で大きく育ててから植え替えるなど栽培方法を工夫、2024年は屋外の40aの畑で約4万本のサトウキビを育てています。

イズモ・アグロブラジル 滝浪実セルジオさん:
出雲産から始まって、サトウキビも皆さんが植えて、どんどん広がっていくのが僕の夢です。

収穫されたサトウキビは、畑近くの加工場ですぐに搾られます。

イズモ・アグロブラジル 滝浪実セルジオさん:
やっぱり自分で作ったものですから、おいしいですよ。100%です。

この搾り汁を煮詰めてでき上がる「糖蜜」を和菓子の材料に使おうと考えているのが、出雲市の「坂根屋」。創業100年を超える老舗です。セルジオさんからサトウキビの販路がないと相談を受け、2024年からから資金面もサポート。一定量を買い取り、和菓子の材料として使うことにしました。2023年から試作に取り組み、誕生したのが「出雲ぜんざい」。もともと人気商品で、出雲産の素材にこだわっていましたが、これまで砂糖だけは出雲産のものがなく、セルジオさんのサトウキビはまさに「渡りに船」でした。

坂根屋・坂根めぐみ取締役:
サトウキビ独特の苦みとか甘味が出せるのが特徴になっています。出雲のいいものを、国外にも発信していきたいと思います。

サトウキビの本格的な収穫は、2025年1月はじめに行われ、およそ1.5トンの糖蜜が取れるということです。坂根屋は、この糖蜜を使った和菓子の新商品の開発を進めることにしています。

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