岩屋毅外相

 岩屋毅外相が24~26日の日程で中国訪問を検討していることが分かった。北京で王毅外相と会談し、李強首相との面会も調整している。日中間の協力の拡大と懸案の解決に向けた足掛かりとする狙いがある。関係者が明らかにした。

 外相の訪中は2023年4月の林芳正外相(当時)以来。今年11月にペルー・リマであった石破茂首相と習近平国家主席による首脳会談で、首脳級や閣僚級で幅広い分野における意思疎通を強化する方向で一致していた。

 中国の圧力により台湾海峡や東シナ海、南シナ海での緊張が高まる中、地域情勢の安定化や両国間の懸案について議論する。また、19年に初めて開かれた「日中ハイレベル人的・文化交流対話(人文対話)」も開催し、日本側からは阿部俊子文部科学相も出席する見込み。「日中ハイレベル経済対話」の日本での開催も協議するという。

 日中関係は今年9月以降、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出への対抗措置として中国が全面停止した日本産水産物の輸入を再開する方針で合意するなど、改善に向けた動きが表面化している。一方、中国で相次ぐスパイ容疑での邦人拘束や、中国が日本の排他的経済水域(EEZ)に設置したブイの撤去などの問題は解決の見通しが立っていない。

 外務省幹部は今回の訪中を「山積する懸案の解決に向け、まずは率直な対話と意見交換ができるよう信頼関係を構築する機会にしたい」と位置付けている。【金寿英】

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