カナダの警察当局は3日、カナダ国内でインドからの独立運動にかかわるシーク教徒男性の殺害に関わったとして、インド国籍の男3人を逮捕・訴追したと発表した。警察当局は男らとインド政府との関わりを調べている。両国は事件を受けて互いの外交官を追放し合うなど外交問題に発展していた。
男性はインドから分離独立してシーク教徒による国家の樹立を目指す「カリスタン(清浄の地)」運動の活動家だった。2023年6月にカナダ西部ブリティッシュコロンビア州のシーク教寺院の外で射殺された。報道によると、殺人罪などで訴追された3人は西部アルバータ州に在住していたが、カナダの永住権は保有していなかった。カナダ放送協会(CBC)は、警察当局はインド政府の指示を受けた「殺し屋」と見ていると伝えた。
トルドー首相は事件にインド政府が関与した「信頼できる報告」があると主張し、主権の侵害だと訴えた。これに対し、インド側はカナダの主張を否定していた。
カリスタン運動を巡っては、米連邦検察が23年11月、米在住のシーク教徒の殺害を計画したとしてインド国籍の男を起訴し、インド政府の関与を疑っている。【ニューヨーク八田浩輔】
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