バイデン米大統領(右)から大統領自由勲章を授与されるゴア元副大統領=ホワイトハウスで2024年5月3日、AP

 バイデン米大統領は3日、文民最高位の勲章「大統領自由勲章」の授与式をホワイトハウスで開き、民主党のアル・ゴア元副大統領らの首に勲章をかけた。ゴア氏は大接戦となった2000年大統領選で潔く敗北を受け入れたことで知られる。20年大統領選の敗北を今も認めないトランプ前大統領の姿勢を浮き彫りにする狙いもありそうだ。

 バイデン氏は式典で、ゴア氏について「総得票数で勝利した後、我が国の結束と諸制度への信頼のために論争のあった大統領選の結果を受け入れた。私にとって驚くべきことだった」などと紹介した。

 ゴア氏は00年大統領選で共和党のジョージ・W・ブッシュ氏と争った。一般投票の総得票数では上回ったものの、獲得した選挙人の数では僅差で敗れた。わずか537票差だった南部フロリダ州では再集計を巡る訴訟合戦となったが、連邦最高裁が再集計の打ち切りを命じる判断をすると、ゴア氏は速やかに「国民の結束と民主主義のために敗北を認める」と演説して敗北を受け入れた。07年にはノーベル平和賞を受賞した。

 一方、20年大統領選では、現職だったトランプ氏が敗北の結果を認めず、覆そうとペンス副大統領(当時)らに圧力をかけた。トランプ氏は今月1日の米メディアのインタビューでも、自分は勝っていたと重ねて主張。24年11月の大統領選についても、無条件に結果を受け入れることはないとの考えを示した。

 今回の受章者は計19人。ゴア氏のほか、昨年のアカデミー賞でアジア人として初めて主演女優賞を獲得したマレーシア出身のミシェル・ヨーさんや、東京五輪など3回の五輪で計7個の金メダルを獲得した競泳女子のケイティ・レデッキーさんらが選ばれた。民主党のペロシ元下院議長やケリー元国務長官なども名を連ねた。【ワシントン西田進一郎】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。