中東シリアでは、アサド政権の崩壊を祝う集会が各地で開かれました。一方、弾圧を受けて投獄され、行方の分からない家族を探そうと、遺体が安置されている病院には市民が押し寄せています。
記者
「アサド政権が崩壊して以後、初めての金曜日、イスラム教徒にとっては大切な金曜礼拝を終えたばかりで、市内中心部には、市民や反体制派の戦闘員など大勢の人が詰めかけ、さながらお祭り模様です」
「ひとつ!ひとつ!ひとつ!シリア人はひとつ!」
反体制派の旗である3つ星の三色旗を掲げ、喜びの声をあげる大勢のシリア市民。13日、首都ダマスカスをはじめ、各地でアサド政権の崩壊を祝う集会が行われました。
市民
「私はこの国で起きたことをこれまで見てきたから、いまここで起きていることが本当に嬉しいです。生まれて初めて、自分の言いたいことを言えて、批判したいことを批判できます」
多様な民族や宗教が入り組むシリア。反体制派には、主義主張の異なる様々なグループがあり、今後、安定した政権を樹立できるかは未知数です。
市民
「新しい政府には、それぞれの宗教・信条を認めてもらいたいです。シリアは全てのシリア人のものですから」
喜びにひたる人たちがいる一方で、絶望の淵に立たされる市民も…
記者
「遺体が安置されている部屋です。みなさん、行方不明になっている家族や知人がいないか、ここで探しているということです」
ダマスカス市内の病院には、政権崩壊後に軍事病院で見つかった30を超える遺体が搬送されていて、訪れた人たちは、険しい表情で遺体を確認していました。
捜索に来ていた家族
「兄は2013年から消息がわかりません。見つからなかった、跡さえもなかった」
「見つけたら教えてください。お願い!」
なかには、拷問や処刑が行われていたとされる刑務所に収監されていた人の遺体もあったということです。
記者
「5畳、6畳ほどのところに10人以上のご遺体が安置されています。極めてやせ細っていまして、あばら骨が浮き出た遺体も多くあります。奥にある男性の遺体の左肩は丸く皮膚がえぐりとられています」
解剖に携わった医師によると手や首にロープで絞められた痕があったり、銃弾が撃ち込まれたりした遺体もあったとのことで、アサド政権の弾圧の過酷さが改めて、浮き彫りとなりました。
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