韓国の尹錫悦大統領“包囲網”が狭まっています。非常戒厳宣言をめぐって、警察は大統領府などへの捜索に踏み切りました。

記者
「国会の本会議場の中では、閣僚らが非常戒厳が出された経緯などについて説明を求められています」

国会に呼ばれた尹政権の閣僚たち。「非常戒厳」に伴う混乱をめぐって、席から立たされ、頭を下げての謝罪を求められました。

野党側は大統領に対する2度目の弾劾訴追案をあす、国会に提出することを決めました。

前回の投票では、与党のほとんどの議員が参加せず、議案は成立しませんでした。

しかし、今後の対応について、与党の議員総会に参加したある議員はJNNの取材にこう明かします。

韓国 与党議員
「今回はすべての議員を議場から退場させようという雰囲気ではなかった。党としては弾劾に反対しつつ、採決には自由に参加する方向だ」

さらに、与党議員たちの現状について…

与党議員
「弾劾に対する世論のプレッシャーを感じており、時間延ばしに負担を感じている」

市民は…

大学生
「根拠のない戒厳令は民主主義の根幹を崩すと考える。弾劾案に賛成する立場です」
市民
「(尹大統領は)みずから職を辞してほしい」

一方で、「非常戒厳」をめぐる捜査は急展開を見せています。

韓国警察はきょう、内乱の疑いで警察庁長官らの身柄を拘束。さらに、大統領府への家宅捜索に踏み切りました。

尹大統領をめぐっては、こんな証言も出てきています。

韓国陸軍 クァク・ジョングン 特殊戦司令官
「(尹大統領は)早くドアを壊して入り、中にいる人を引っ張り出せとおっしゃいました」

国会に突入した軍の司令官に尹大統領は「議員たちを引っ張り出せ」と指示したというのです。

“包囲網”が狭まる中、大統領の最側近で非常戒厳を進言したとして逮捕された金龍顕前国防相が、きのう深夜に拘置所で自殺を試みたことが明らかになりました。

命に別状はないということですが、韓国社会は揺れに揺れています。

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