出産後の母親に「お祝い膳」を提供する産科が増えています。こうした中、ブラジル国籍の住民が急増する島根県出雲市の病院では9日、ブラジル料理を取り入れた「お祝い膳」を提供することになり、試食会が開かれました。

野菜をたっぷり煮込んだラタトゥイユに、白いんげん豆を使った「国民食」フェイジョン。どちらもブラジルの家庭でおなじみの料理です。9日、出雲市にある県立中央病院の産婦人科で出産後に提供される「お祝い膳」を、産婦人科の医師や職員など約30人が試食しました。

参加者:
味付けもしっかりしてて、ご飯と一緒に食べやすそう、おいしいなと思いました。

参加者:
ハンバーグとラタトゥイユはなかなかお気に入りですね。豆はね…予測通りの味で。

出雲市には、2024年10月末現在で約3100人のブラジル人が在住、この病院でも2023年に対応した出産580件のうち約1割にあたる54件がブラジル人で、その数は年々増加しています。

島根県立病院医療技術局栄養管理科長・高野美喜子さん:
ブラジル国籍の方が徐々に増えていて、今までお祝い膳をお出ししても中には、和の調味料、甘みを入れることがそぐわない方が多いので、召し上がっていただけるものを一つでも出したいという思いがありました。

病院では、出産のお祝いと母親の体力回復を願って「お祝い膳」を提供していますが、ブラジル人の中には日本のだしや醤油、みりんなどの味になじめない人も少なくないといいます。
そこで、出雲市の国際交流員チアゴ・カナグシクさんの妻で、ブラジルで料理人をしていたピレス・ジョージアさんに相談。「お祝い膳」にブラジル料理を取り入れることにしました。ニンニクと塩、タマネギがベースというブラジル風の味付けだけでなく、妊婦は出産後も魚介類や豚肉、生ものを食べないというブラジルの習慣などにも配慮し、メニューを考えました。

ピレス・ジョージアさん:
すごくブラジルの味に似ていて、母国とは違う場所にいるけど安心して食べてほしいと思います。

ブラジル料理を取り入れた産後のお祝い膳は2025年2月から、希望すれば日本人にも提供されるということです。

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