内戦が続くシリアで8日、攻勢を強める反体制派が首都ダマスカスを制圧した。ロイター通信などが伝えた。独裁政治を続けてきたアサド大統領の状況は不明だが、飛行機でダマスカスを離れたとの情報があり、政権が崩壊した可能性が高い。
シリアのジャラリ首相は8日、ビデオ声明を発表し、「シリアが選ぶどのような政府とも協力する用意がある」と述べた。ロイターによると、政府軍の司令官も将校に対してアサド政権の統治は終わったと通知した。
反体制派は8日の声明で「暗闇の時代が終わり、シリアの新たな時代が始まることを宣言する」と表明した。
AP通信によると首都ダマスカスでは市民らが街頭に出て、反体制派部隊の到着とアサド政権の崩壊を歓迎しているという。
シリアでは1970年にアサド氏の父ハフェズ・アサド前大統領がクーデターで政権を掌握して以来、父子2代で50年以上にわたり独裁政治が続いていた。2011年に中東の民主化要求運動「アラブの春」で反政府デモが相次ぐと、アサド政権は強硬に弾圧し、激しい内戦に発展。政府軍はロシアやイランの支援を受けて反体制派や住民に対して激しい空爆を行い、多数の死者や難民を出していた。【カイロ金子淳】
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