韓国の尹錫悦大統領 Kim Hong-Ji - REUTERS

<ソフトランディング目指す与党と徹底して弾劾目指す野党の対立続く>

韓国国会で7日、ユン大統領に対する弾劾決議は不成立となったが、これで事態が収まった訳ではない。与党からも大統領職の事実上の停止を求める動きが出ているからだ。

国民の力のハン·ドンフン代表がは、12月3日の非常戒厳令と関連して、「いくら長くても6カ月以内にユン大統領が退陣しなければならない」と語り、早ければ今日にも下野を要求する計画であることが把握された。

韓国メディアMBC、YTN、毎日経済などが報じた。

与党ハン・ドンフン代表、午前中にハン・ドクス首相と会談

ハン代表はきょう午前、ソウル汝矣島(ヨイド)で韓悳洙(ハン・ドクス)首相と会談し、ユン大統領の職務を実質的に停止させる案や、下野の具体的なタイムテーブルについて話し合う予定だ。

ハン代表は特に、今後弾劾案が可決され、憲法裁判所もユン大統領の罷免を決定すると仮定した場合、ユン政権の残りの任期は5〜6カ月になるとして、これより時間がかかると国民を説得するのは難しいと判断したと言われている。

ハン代表「混乱避けるため弾劾より下野目指す」

ハン代表は周辺に「社会の混乱を最小限にとどめるのが責任ある与党の役割なので、できれば弾劾よりは下野のほうがいい」と述べ、「これまでは下野を説得できるかがカギだったが、もはや党が全権を与えられたので、それが可能になった」と説明したという。

また、「検察・警察に対する戒厳令の内乱捜査まで拡大する状況で、党がこれを阻止することも、阻止しようともしないので、先延ばしすることもできない」という考えを明らかにしたとも伝えられている。

党の主要関係者は、ハン首相との共同談話としてこうした内容を盛り込み、特にユン大統領の下野について時期を区切るというのが目標ですが、ひとまず具体的に盛り込まず、「早急に行う」という線で盛り込まれる可能性も排除できないと伝えている。

一方、ハン首相は8日午後2時から臨時閣議を開くと発表。ハン代表との会談を受けて、現状を早期に収拾し、韓国社会が安定するよう努力するとの立場を表明するものとみられている。

ハン代表「混乱避けるため弾劾より下野目指す」


こうした与党側の動きに対して最大野党の共に民主党のイ·ジェミョン代表は「『早期』がいつを意味するのかが再び論争になるのではないか、大統領任期が2027年5月10日なのに5月1日まで執権しても早期退陣なのか」と批判した。

野党側はあくまで、ユン大統領を弾劾させるということでかたまっており、共に民主党は、ユン大統領弾劾訴追案を一週間単位で臨時会会期を切り、表決処理に乗り出すという方針を決定した。

共に民主党は12月10日で通常国会が閉会する直後の12月11日に再び臨時国会を召集し、当日は尹大統領に対する弾劾訴追案を再発議し、土曜日の14日に採決を試みる案を有力に検討している。

これは韓国国会では案件が否決された場合、同じ会期に再び発議できないため、これを避けるため、会期を1週間という臨時国会を開催し、弾劾案が可決されるまで1週間ごとに再発議する計画だ。

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