韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案に、与党代表が事実上、賛成する意向を示しました。
最新情報をFNNソウル支局・濱田洋平記者がお伝えします。
7日に採決が行われる予定の尹大統領の弾劾訴追案ですが、身内であるはずの与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表が事実上、賛成する意向を示し、他にも弾劾に賛成する議員が出ているため、弾劾訴追案は可決される可能性が出てきました。
ただ、与党内部の重鎮議員が集まった会議では、議員たちが韓代表に対して「弾劾には慎重にならなければならない」として、弾劾賛同の意向には「同意できないという意見がほとんどだった」と韓国メディアが報じています。
つまり、与党も一枚岩とは言えない状況です。
――弾劾は可決されるのか、見通しはどうですか?
可決には、与党議員少なくとも8人が賛成する必要があります。
韓国メディアは、韓代表に近い議員が10人以上はいるとしているので、可決される可能性は十分あります。
ただ、与党側の議員総会は6日午後4時半現在も続いているとみられ、依然、その動向は不透明です。
――尹大統領が自ら辞任する可能性はあるのでしょうか?
尹大統領は3日の戒厳令以降、依然、沈黙を貫いたままです。
6日に発表された世論調査では、支持率が就任以来最低の16%まで下がり、国民からの風当たりは強くなっています。
そんな中、尹大統領は6日午後、与党「国民の力」の韓代表と会談しました。
会談後、韓代表は「尹大統領の職務執行を停止させる必要があるとの考えは変わらない」とした上で、尹大統領に自身の立場を直接説明するべきと要請したということです。
今後の流れについて、フジテレビ・立石修解説委員室長が詳しくお伝えします。
7日午後7時に弾劾を求める議案の発議が行われる予定で、議員の3分の2以上の賛成があれば可決されます。
可決された場合、大統領の職務は一時停止となり、憲法裁判所で180日以内にこの弾劾が妥当なものなのかの判断が行われます。
裁判官の9人のうち6人が「妥当である」と判断した場合、弾劾が正式に決定し、大統領は失職。60日以内に大統領選挙が行われるということです。
弾劾案が国会で可決された時点で、現在の首相である韓悳洙(ハン・ドクス)氏が大統領を代行することになります。
韓国では今回も含めて、大統領弾劾が3回ありました。
直近では2016年の朴槿惠(パク・クネ)氏のケースです。
その際は国会で12月に可決された後、憲法裁判所による憲法裁判所による正式な決定まで3カ月近くかかりました。
そして5月になってようやく大統領選が行われました。
朴槿惠氏の場合は、「友達に国家機密をもらす」などの不祥事でしたが、今回、尹大統領のケースは「内乱罪」などを指摘する声もあって、より重みがあることになります。
したがって警察の捜査の範囲は広くなるとみられますが、韓国国内では連日デモがありますし、外交面でも北朝鮮情勢は非常に不安定。
早急に手続きを取る必要に迫られている状況だと思われます。
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