日本と米国、オーストラリアの3カ国による机上訓練「共同指揮所演習」の開始式が6日、陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都、埼玉県)などで行われた。日本が武力攻撃を受けたとの想定の下、3カ国をつなぐコンピューター上で仮想部隊の運用などをシミュレーションし、島しょ防衛の連携強化につなげるのが狙いだ。
陸自は、陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」の来春発足も見据え、演習に取り組むとしている。
陸自と米陸軍は1982年以降、「ヤマサクラ」と呼ばれる陸上部隊としては最大規模の机上訓練を続けており、2023年から豪州軍が正式に加わった。米国の同盟国同士として防衛協力を強めている日豪関係が背景にある。
演習は7100人規模で実施する。沖縄に駐留する米海兵隊からは第3海兵機動展開部隊の約140人が参加。従来の約10人に比べて大幅に増え、水陸両用作戦の充実が期待されている。豪州軍については前回同様、米陸軍傘下の部隊との位置づけで約250人が参加する。
この日の開始式では、日米豪の演習部隊幹部が参加者約130人を前にそれぞれ訓示し、握手で絆をアピールした。その後、共同記者会見に臨んだ豪陸軍第1師団長、アッシュ・コリンバーン少将は「インド太平洋地域の安全保障環境は厳しく、複雑化しており、各国が単独で対応するのは困難。複雑な演習を通じて関係を深め、抑止力を強化できることを期待している」と述べた。
演習は朝霞駐屯地のほか、健軍駐屯地(熊本市)など国内外を拠点に14日まで続く。【松浦吉剛】
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