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 韓国・尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾(だんがい)訴追案は7日に採決が行われる見通しですが、早まる可能性も出てきました。

■与党一転「尹大統領の早急な職務停止が必要」

大統領弾劾(だんがい)の行方は? この記事の写真

 弾劾訴追案は、韓国国会の定数300のうち3分の2(200人)以上の賛成で可決されますが、最大野党の「共に民主党」は170議席で、その他の野党を足しても、3分の2に届きません。ですが、与党「国民の力」から8人が造反すれば可決されます。

 その与党の対応は、「国民の力」のハン・ドンフン代表は当初「可決されないように努力する」と述べ、党として反対する方針でした。しかし6日になって一転、賛成の意向を示しました。尹大統領が主要政治家らを逮捕しようと計画したことを確認し「早急な職務停止が必要だと判断した」ということです。

 では、訴追案が可決されたらどうなるのでしょうか?

訴追案が可決されると

 可決された場合、尹大統領の職務は停止され、憲法裁判所が180日以内に罷免するかどうかを判断します。罷免されれば、60日以内に大統領選挙を実施することになります。

 次の大統領は誰になるかですが、「韓国NEWSPIM」が4日に行った調査によると、「大統領に誰がふさわしいか」という質問では、最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表が47.5%なのに対し、「国民の力」のハン氏は13.3%となっています。

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■ハン代表とは? 前政権では左遷も

■ハン代表とは? 前政権では左遷も

「国民の力」代表 ハン・ドンフン氏とは

 突如「弾劾賛成」に回ったハン氏とはどのような人物なのでしょうか?

 2001年に検察官になったハン氏。尹大統領も同じく検察出身なので、先輩・後輩の関係になります。そして、2016年に特別検察チームで尹氏の部下として、当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友による国政介入事件を捜査しました。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権の2019年には、検事総長だった尹氏のもとで、反腐敗・協力部長に抜擢(ばってき)。“タマネギ男”と呼ばれた、当時のチョ・グク法相を捜査しました。このため文政権と激しく対立。2020年、チュ・ミエ法相によって尹氏に近い幹部は総入れ替えとなり、ハン氏も地方に左遷されています。

 しかし、2022年に尹政権が発足すると法相に就任。去年12月には党臨時トップの非常対策委員長に就任しました。今年4月、党が総選挙で大敗したのを受け引責辞任するも、7月に再び党代表に選出されています。

 このように尹大統領とは深いつながりがあるハン代表ですが、尹大統領の妻、キム・ゴンヒ氏の疑惑を巡っては、大統領が「妻を守る」としているのに対し、ハン代表は「捜査が必要」としています。

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■「キム・ゴンヒ特検法」成立を目指すも…

■「キム・ゴンヒ特検法」成立を目指すも…

大統領夫人 キム・ゴンヒ氏を巡る数々の疑惑

 尹大統領が「非常戒厳」を宣言した背景として指摘されるのが「夫人スキャンダル」。その本丸としてある人物に焦点が当たっています。

 キム氏を巡っては、ドイツモーターズの株価操作への関与、高級ブランドバッグの授受、経歴詐称、ソウル〜ヤンピョン間の高速道路の路線変更などさまざまな疑惑が浮上しています。これらに対する、尹大統領からの謝罪はなかったことから政権への逆風が高まる一方、支持率は低下していきます。

“謎の人物”に焦点

 そして今、疑惑の本丸として焦点が当たっている“謎の人物”それが、政治ブローカーのミョン・テギュン氏です。

 今年9月、韓国のインターネットメディアが報道したのを皮切りに浮上したのが「国政選挙公認介入疑惑」です。ある選挙区で国会議員の補欠選挙が行われるのにあたり、ある候補者を与党「国民の力」が公認しました。

これを機にミョン氏と大統領夫妻を巡るさまざまな疑惑が噴出しました。その一つが2022年の大統領選挙期間中の不正世論調査疑惑。与党の大統領候補者選びの過程で、ミョン氏が非公開の世論調査のデータを尹氏に有利なように捏造(ねつぞう)したというものです。

 これに対し尹大統領は、先月7日「隠すことはない」と公認介入疑惑と不正世論調査疑惑のいずれも否定しました。しかし、こうした疑惑が影響してか、10月末には支持率が一時10%台にまで落ち込みました。

今月10日に採決される予定だったが…

 こうした中、野党側は攻勢を強めています。最大野党「共に民主党」は、キム氏を巡る疑惑について政府から独立した特別検察官に捜査をさせる法案、通称「キム・ゴンヒ特検法」の成立を目指していて、今月10日に採決される予定でした。

 尹大統領が突如「非常戒厳」を出したのは、これを食い止めたかったからではとの指摘も出ています。

 その後、新たな動きがあり、連合ニュースによると、「共に民主党」は7日の本会議で弾劾訴追案と同時に「キム・ゴンヒ特検法」の採決を行う方針だということです。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年12月6日放送分より)

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