内戦下のシリアで、大規模攻勢を続ける反体制派は5日、中部の主要都市ハマに進攻し、市内を制圧した。ロイター通信などが伝えた。政府軍は市内から撤退し、郊外で態勢を整えているという。反体制派が今回の攻勢で制圧した主要都市は北部アレッポに続いて二つ目で、アサド政権にとっては大きな打撃となりそうだ。
ロイターによると、ハマは2011年にシリア内戦が始まってからも一貫して政権側の支配下にあった。反体制派はハマ北部の要衝である丘を掌握した後、5日に東西2方向から市内へ入り、政府軍と戦闘になった。市内の刑務所も支配下におき、収容者を解放したという。
反体制派の攻勢は、米国がテロ組織に指定する「ハヤト・タハリール・シャム」(HTS)が主導し、トルコが支援するシリア国民軍も加わっているとされる。
ハマを制圧したことで、反体制派は約40キロ離れた中部ホムスまでつながる主要道路を進めることになった。ホムスは、首都ダマスカスを含む主要都市への道路が交差し、戦略的に重要とされる。今後、反体制派がホムスまで制圧すれば、攻勢が首都をも脅かす可能性が高まる。
アサド政権を支援するイランやロシアは軍事支援を強化する構えで、政府軍側の空爆が激しさを増すのは必至だ。
イラクの親イラン武装組織も、アサド政権を支援するため、すでにシリア入りしたと報じられている。HTSのジャウラニ指導者は5日のビデオ声明でイラク首相に対し、「新たな戦争の火種に巻き込まれないよう求める」と呼びかけた。【カイロ金子淳】
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