韓国の最大野党「共に民主党」など韓国の野党6党は4日午後、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案を国会に提出しました。韓国の国会前から、FNNソウル支局・一之瀬登記者が中継でお伝えします。
3日夜から国会前に集まった市民は、今も尹大統領を非難する声を上げ続けています。
4日は正午から野党の代表らが国会前に集まり、支持者約5000人とともに尹大統領の即時退陣を求めました。
最大野党「共に民主党」などは、「尹大統領の非常戒厳宣言は明白な憲法違反」で「厳重な内乱行為」だとして、午後2時半ごろに弾劾訴追案を提出しました。
5日午前0時に国会の本会議に報告する予定で、6日か7日に票決をする見通しです。
──弾劾は成立する見通し?
弾劾が成立するには、与党から造反議員が少なくとも8人以上出る必要がありますが、与党の代表は尹大統領に対し「惨憺(さんたん)たる状況について直接説明しなければならない」と厳しい姿勢を示していることから、与党議員の動向にも注目が集まっています。
──そもそもなぜ尹大統領は非常戒厳に踏み切った?
尹政権は11月29日に発表された支持率が19%と低迷している上に、野党が過半数を占める国会で野党の激しい抵抗を受けています。
尹大統領は、政府の官僚や検事らへの弾劾訴追が22件相次いでいるとした他、国会で審議されている主要予算が全額削減されたとしています。
政権運営に行き詰まり、非常戒厳というまさかの手段に踏み切っただけに、尹大統領の求心力の低下は避けられず、政治的な混乱が続くとみられます。
──韓国国民の受け止めは?
市民に話を聞くと、驚きとともに「なぜ非常戒厳宣言をしたのか理由がわからない」という困惑の声が多く聞かれました。
生活の面では今のところ目立った影響は出ていませんが、韓国の日本大使館は「不測の事態が生じる可能性は否定できない」として、注意を呼びかけています。
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