国会周辺に動員された戒厳軍の兵士ら。塀を乗り越えて国会敷地内への突入を試みている=ソウル市の国会周辺で2024年12月4日未明、日下部元美撮影

 韓国国会の金敏基(キム・ミンギ)事務総長は4日、国会内で記者団に対し、尹錫悦大統領の「非常戒厳」宣布に基づき兵士らが国会内に突入したことについて「違法な乱入だ。強い抗議の意を表する」と非難した。武装した兵士ら計約280人が国会敷地内に突入。さらに一部がガラスを割るなどして国会議事堂内まで乱入したという。

 金氏によると、非常戒厳の宣布直後の3日午後10時50分、警官隊らが国会の門を閉鎖し、国会議員や職員らの出入りを阻止。さらに同日深夜から4日未明にかけて、軍用ヘリで24回にわたり計約230人の戒厳軍の兵士が国会敷地内に進入した。さらに4日未明には、追加で約50人の兵士が国会の周囲を取り囲む塀を乗り越えて敷地内に侵入した。

 部隊は国会議事堂の2階事務室のガラスを割って乱入。その後、国会は非常戒厳の解除を要求する決議案を出席議員全員の賛成で可決した。禹元植(ウ・ウォンシク)議長は部隊の撤収を強く要求。4日午前1時11分に撤収を始め、同2時3分に撤収を終えたという。【ソウル福岡静哉】

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