容疑者の携帯電話に残っていた銃器などの画像=米司法省提供

 米西部カリフォルニア州の連邦地検は3日、北朝鮮に銃器などを密輸したとして、安全保障上の脅威に制裁を科す「国際緊急経済権限法」違反容疑で中国国籍の男性(41)を逮捕、訴追したと発表した。

 連邦地裁に提出した資料によると、容疑者は複数人と共謀し、2023年10、12月の少なくとも2回、銃器や弾薬をコンテナに隠し、カリフォルニア州ロングビーチから香港を経由して北朝鮮に密輸したとしている。

 容疑者は12年に学生ビザ(査証)で米国に入国し、ビザの有効期限が切れた後も不法滞在していた。渡米前に中国で北朝鮮政府高官と会い、銃器などを調達するよう指示を受けていたという。調達資金として200万ドル(約2億9800万円)を受け取ったとも供述している。

 捜査当局はこれに先立ち、今年8、9月にカリフォルニア州の自宅と車を捜索し、盗聴器を探知する機器や弾薬5万発などを押収した。いずれも北朝鮮に密輸するため入手したとみている。国際緊急経済権限法に違反した場合、最長で禁錮20年が科せられる。訴追内容の認否は数週間以内に行われる。【ニューヨーク中村聡也】

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