シリアで反体制派が北部の主要都市アレッポの大部分を制圧したことなどに関連し、イスラエルのネタニヤフ首相は1日、訪問先の中部の軍事基地で「シリアの動向を注視している」と述べた。シリアは敵対する隣国で、シリア国内の混乱が、自国の安全保障に影響を与えることに警戒を強めている。
イスラエルメディアによると、イスラエル政府は反体制派によるアサド政権への攻撃で、後ろ盾のイランの軍事インフラも打撃を受けたことなどから、短期的には自国にとって前向きな状況とみているという。イスラエル軍と一時停戦中のレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラもアサド政権への支援に追われる可能性があり、ヒズボラが停戦合意を順守する可能性が高まるとみられている。
しかし、反体制派に強硬な姿勢を見せるアサド政権がイランにさらなる軍事支援を求めれば、イランのシリアでの影響力が増す可能性がある。また、イスラム教過激派組織がシリアで伸長すれば、シリアとの国境沿いで緊張が高まる恐れもある。実際、シリア内戦が本格化した2013年には占領地ゴラン高原で、国連の部隊が反体制派に拘束される事態も起きた。
イスラエル当局者は地元メディアに対して「最大の脅威は、地域が不安定化し、テロの脅威がイスラエルにも影響することだ」と語った。【エルサレム松岡大地】
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