台湾の頼清徳総統は現地時間の11月30日、外交関係のある太平洋島しょ部3カ国への訪問に先立ち、経由地の米ハワイに立ち寄った。5月の就任後、外国訪問は初めて。
台湾総統府によると、頼氏は専用機でハワイ・ホノルルに到着し、米国の対台湾窓口機関「米国在台協会」の幹部やハワイ州知事らの出迎えを受けた。頼氏は真珠湾攻撃で沈没した米戦艦アリゾナの記念館を訪れて献花した。
頼氏は3日以降、マーシャル諸島やツバル、パラオを訪問し、各国首脳らと会談する。2016年に台湾で民進党政権が発足して以降、中国の外交攻勢によって台湾と外交関係を持つ国は12カ国にまで減少している。頼氏の訪問で、経済力をてこにした中国の切り崩しに対抗する目的がある。
頼氏は出発時の声明で台湾と3カ国は南の島の文化や民主主義を共有していると強調。「民主主義の価値を堅持している様子を世界に示したい」と述べた。
訪問ではハワイに加え、途中で米領グアムにも立ち寄る。来年1月のトランプ新政権の発足を前に、頼氏の掲げる「台湾海峡の現状維持」の後ろ盾となる米国との信頼関係強化も狙う。
中国外務省は1日、頼氏が米国に立ち寄ったことについて談話を発表した。談話では、「台湾問題は中米関係で越えてはならないレッドラインだ」と強調。米国が頼氏の立ち寄りを認めたことを厳しく非難し、米国に抗議したと明らかにした。【台北・林哲平】
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