アメリカ司法省の特別検察官は25日、議会襲撃事件と機密文書事件について、トランプ次期大統領に対する起訴を取り下げるなど、事件から退く決定をしました。

司法省のジャック・スミス特別検察官は、トランプ氏が2020年の大統領選挙で敗北した結果を覆そうと翌年の1月に支持者を扇動したとされる「議会襲撃事件」をめぐり、トランプ氏に対する起訴の取り下げを首都ワシントンの裁判所に求めました。

理由として、憲法が連邦の事件で現職の大統領を起訴できないと規定していることを踏まえ、司法省として判断したとした上で、起訴された人物が次期大統領になること自体が「前代未聞」だと付け加えました。

また、トランプ氏が以前、大統領から退任した際に機密文書をホワイトハウスから持ち出し、フロリダの自宅で保管した「機密文書持ち出し事件」に関しても、上訴の取り下げをジョージア州の裁判所に申請しました。

こちらの事件で共犯2人は対象外ですが、トランプ氏は大統領就任後に恩赦を与えるとみられています。

トランプ氏側は「この判断によりトランプ氏に対する憲法違反の連邦事件は終わり、法の支配にとって大きな勝利だ」とコメントしています。

トランプ氏はこれまでスミス特別検察官について「2秒以内にクビにする」と名指していて、スミス氏もトランプ氏の就任前に辞任する意向だと現地メディアは伝えています。

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