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<アメリカはウクライナにロシア領内への長距離兵器の使用を容認。攻撃が激化する中、北朝鮮から派遣された高官がミサイル攻撃を受けた可能性>

ウクライナ軍がロシア西部のクルスク州に向けてミサイル攻撃を行った。ロシア大統領府が所有する施設の地下にあるロシア軍の司令部を狙った攻撃とみられ、ここには北朝鮮軍から派遣されてきた高官がいた可能性があると報じられている。攻撃の様子は動画に捉えられており、そこには複数のミサイルが連続して着弾した瞬間が収められている。

■【動画】潜伏する北朝鮮の高官を「狙い撃ち」...ロシア司令部にミサイル直撃、建物が吹き飛ぶ瞬間映像

攻撃に使われたのはイギリスとフランスが共同開発したストームシャドーと見られる。貫通力の高い精密誘導ミサイルだ。モスクワ・タイムズ紙によれば、この攻撃はロシア大統領府が所有するマリイノ邸内にあるロシア軍の司令センターを狙ったものだとされている。

本誌はこの施設内に北朝鮮軍の要員がいたのかどうか確認を取ることができず、この件についてロシア国防省とウクライナ国防省にメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。

クルスク州の前線にはこれまでに1万人超の北朝鮮兵が配備されている。ウクライナのニュースサイト「ディフェンス・エクスプレス」は、この地域に北朝鮮の部隊が進出していることから、当時この建物内に「北朝鮮軍の高官、場合によっては司令官クラスの人物」がいた可能性があるという憶測が広がっていると報じた。

ロシアの防空システムは「機能しなかった」

X(旧ツイッター)には攻撃の様子を捉えた画像や動画が出回っている。

アカウント名「Ukraine Battle Map」のユーザーは衛星画像と動画を投稿し、次のような説明を添えた。

「ウクライナがクルスク州マリイノの地下にある軍の指揮所を攻撃した。ウクライナから最大40キロのあたりに位置する施設だ。攻撃にはイギリス製の巡航ミサイル『ストームシャドー』が12発程度使用され、当時指揮所にはロシア軍の司令官に加えて北朝鮮軍の当局者もいた可能性が高い(ディフェンス・エクスプレス報道)」

別のユーザー「Tendar」も複数の画像と動画を投稿し、次のように書き込んだ。

「ウクライナ軍はストームシャドーがロシアのクルスク州マリイノにある施設を攻撃する様子を捉えたドローン映像を公開した。動画はミサイルがこの施設内の複数の建物を狙い、少なくとも3棟に着弾したことを示している。ミサイルの着弾点に印をつけておいた。これが重要な作戦だったのは間違いない。ロシアの防空システムがミサイルを阻止できなかったこと、敵の偵察ドローンの飛来まで許したことがそれを雄弁に物語っている」

イギリスは以前ウクライナに対してストームシャドーを供与しており、最近もさらなるミサイル供与を含む新たな軍事支援パッケージの準備を進めている。ストームシャドーは450キロの弾頭を搭載することが可能で、射程距離は500キロメートルだ。

ロシアは反撃を開始、ICBMを使用とウクライナ主張

ウクライナによる今回の攻撃に先立ち、ジョー・バイデン米大統領はウクライナがロシア領内の奥深くに向けて長距離兵器を使用することを認めると発表。その後ウクライナはロシア領内に向けてアメリカから供与を受けた陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)を初めて使用し、ロシア西部ブリャンスク州カラチェフ近郊にある武器庫を攻撃した。

またウクライナは10月に、ウクライナ国内にあるロシア軍の司令部3カ所をストームシャドーで攻撃していた。

今回の攻撃を受けてロシアは反撃を開始。ウクライナ東部のドニプロに向けて攻撃を実行したが、これには初めて大陸間弾道ミサイル(ICBM)が使用されたとウクライナ側は主張している。

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