ドネツク州の前線近く、独製レオパルト2A6戦車とウクライナ第21独立機械化旅団(2024年5月12日) REUTERS/Valentyn Ogirenko
<激戦を極めるウクライナ東部戦線、ロシア軍部隊とウクライナ軍戦車が繰り広げる技と技のぶつかり合いをとらえた映像がまるで叙事詩>
ロシア軍とウクライナ軍の激しい攻防が続くドネツク州クラホヴェでウクライナ軍の戦車2両がロシア兵の拠点を砲撃、敵FPVドローンの執拗な追撃を交わして脱出する叙事詩のような映像が、ソーシャルメディア上で拡散している。
【動画】まるで戦争映画!?ロシア軍部隊の拠点を吹き飛ばし、ドローンに追われる凄絶な戦車乗りの死闘
親ウクライナのアカウント「WarTranslated(Dmitri)」がX(旧Twitter)に投稿した3分間の動画は、「クラホヴェ近郊における壮絶な戦車戦」という書き出しのコメントで始まり、ロシア軍が占領した村に侵入したウクライナ軍戦車が、ロシア兵が拠点としていた複数の家屋を攻撃・破壊したと指摘している。
アルビナ・フェラという別のXアカウントによれば、「目標を攻撃した後、1両の戦車は煙幕を張りながら離脱を始めた」。すると地平線上に突如ロシアのFPVドローンが現れ、最初の戦車を援護していた2両目の戦車を攻撃しようとする。
上空で狙いを定めようとするドローンに対し、「戦車は発煙筒を用いて陽動したためドローン・オペレーターは混乱し、見当違いの場所を戦車を探し始める」。
ウクライナの戦車2両は最後、平原の日を走り去る。コントロールを失って上空に舞い上がったドローンは、後に落下する運命だ。
「戦車兵は、現代戦の経験が豊富で、ドローンに電波が届きにくい低地を選んで移動した」とアルビナ・フェラは追加した。
アイスランドのロックバンド、カレオの「Way Down We Go」をBGMにしたこの動画は、11月19日までに10万回近く再生された。
本誌は、日付が入っていないこの動画の信憑性を確認できず、ロシアとウクライナの国防省にコメントを求めた。
ロシア軍は、要衝ポクロウシクの約64キロ南に位置し、発電所があるクラホヴェ方面への攻勢を続けている。ロシアの軍事ブロガーたちによれば、ロシア軍はクラホヴェ市の北側でウクライナ軍を包囲し、この地域を孤立させようとしているという。
ロシアのある情報筋は、ロシア軍がクラホヴェ北東部を占領したと語ったが、米国のシンクタンク、戦争研究所(ISW)は11月18日、この主張には証拠がないと述べた。
ISWは、ウクライナ軍ドローン小隊指揮官の言葉を引用しつつ、ロシア軍はこの地域で、機械化歩兵による突撃を含め1日に最大5回の攻撃を行なっており、死傷者数を上回る数の新兵力を投入している、と伝えた。
ウクライナ軍の別の司令官は、ロシアの作戦では多くの死傷者が出ており、兵士たちの遺体は戦場に放置されたままだと述べた。
(翻訳:ガリレオ)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。