中国東部の江蘇省無錫市の職業専門学校「無錫工芸職業技術学院」で16日、21歳の元学生がナイフで8人を殺害、17人にけがを負わせる事件が発生した。警察当局が17日に発表した。写真は17日、学校の前で撮影(2024年 ロイター/Brenda Goh)

中国東部の江蘇省無錫市の職業専門学校「無錫工芸職業技術学院」で16日、21歳の元学生がナイフで8人を殺害、17人にけがを負わせる事件が発生した。警察当局が17日に発表した。

数日前には広東省珠海市で車が群衆に突っ込み、35人が死亡する事件が起きたばかりで、メンタルヘルス対策が急がれている。

珠海市当局は16日、車を運転していた62歳の男を起訴したと発表した。

2つの事件ともに、犯人が経済的苦境に陥った後の犯行だった。

事件がきっかけとなり、中国では、犯人の心の闇や、景気減速に伴うストレスの高まり、昔のように良い時代が来ないだろうという若者層の不安が、検閲の厳しいネット上で議論が交わされる希有な事態となっている。

復旦大学のQu Weiguo教授によると、中国で最近起きた「社会に対する無差別な復讐」事件には共通点があり、容疑者の多くが精神疾患を抱え恵まれない環境に置かれ、不当な扱いを受けたと信じ、他に声を上げる手段がないと感じていたと指摘。

同教授は短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」に「社会のセーフティネットと心理カウンセリングの仕組みを確立することは重要だ。しかし、こうした事件発生を最小限に抑える最も効果的な方法は、権力の行使を監視し暴露できる公共のチャンネルを開くことだ」と投稿した。だが、この投稿は17日午後までに検閲によって削除された。



[ロイター]


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