アメリカのトランプ次期大統領は14日、フロリダ州の自宅で演説し、大統領選挙は誰も文句の言わない最大の勝利だったと振り返りました。

アメリカ・トランプ次期大統領:
記録的な得票率で一般投票に勝った。もう誰も我々に文句は言えない。

トランプ氏は演説で「129年で最大の勝利だった」と大統領選挙の結果を振り返るとともに、自身への「熱狂は倍増している」と自慢しました。

また、2025年1月の大統領就任式を待たずに、大統領選挙の投票日となった11月5日から任期を始めてほしいと訴えました。

トランプ氏はこれに先立ち、保健行政を統括する厚生長官にケネディ元大統領の甥のロバート・ケネディ・ジュニア氏を起用すると発表しました。

ロバート・ケネディ・ジュニア氏は無所属で大統領選挙に出馬していましたが、8月に撤退してトランプ氏の支持に回っていました。

ケネディ氏はワクチンに懐疑的な言動で知られ、新型コロナウイルスの陰謀論を支持するなど物議も醸していて、保健行政の混乱は避けられないとの見方も出ています。

このニュースについて、フジテレビ・立石修解説委員室長とともに詳しくお伝えします。

青井実キャスター:
トランプ人事が進んでいるわけですが、反ワクチン主義のロバート・ケネディ・ジュニア氏を厚生長官に起用するということで、アメリカ国内でも波紋が広がっているそうですね?

フジテレビ・立石修解説委員室長:
この人はワクチンは自閉症を引き起こすという科学的根拠が非常に乏しい持論を主張しているんです。
これまでも奇妙な言動が目立つ人物で、変わった動画などを頻繁にアップしたりしていると。
また、10年前に子グマの死骸がニューヨークに捨てられた事件がありましたが、「その犯人は自分だ」と最近になって主張をして騒動を引き起こしたりしているんです。
名門ケネディ家の出身ではあるんですが、ケネディ家の中でも浮いた存在、異端児的な存在です。

青井実キャスター:
8月に大統領選から撤退し、途中からトランプ氏支持に変わったという論功行賞といいますか…。

フジテレビ・立石修解説委員室長:
トランプ氏の勝利にひと役買った立役者の1人です。この人のスローガンはトランプ氏の「Make America Great Again」にちなんで「Make America Healthy Again」。
「アメリカを再び健康に」というものですが、その主張は反ワクチンに加えて、これまで使われてきた農薬や食品添加物というものへの規制を強化すると。食品業界からも反発の声が出ています。
早速、ファイザーやモデルナといったワクチン関連の株価も下がっています。

青井実キャスター:
波紋が広がっているけれども、それでもトランプ氏は起用するわけですよね。

フジテレビ・立石修解説委員室長:
はい。ケネディ氏に限らず、今回のトランプ人事を見てますと、これまでアメリカが築いてきたシステムや秩序というものを根底から覆しているような印象を受けますね。

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