集会で握手する米共和党のドナルド・トランプ前大統領(左)と実業家のイーロン・マスク氏=米東部ペンシルベニア州バトラーで2024年10月5日、松井聡撮影

 トランプ次期米大統領は12日、連邦政府の歳出削減や規制緩和を推進する政府外の機関「政府効率化省」のトップに、いずれも実業家のイーロン・マスク氏とビベック・ラマスワミ氏を起用すると発表した。建国250年に当たる2026年7月を目標に政府機関の改革を進める。

 トランプ氏は「現代のマンハッタン計画(第二次大戦中の原子爆弾製造計画)」になり得ると期待を示した。

 トランプ氏は声明で、政府効率化省の役割について「官僚主義を壊し、過剰な規制をなくし、無駄な支出を削減し、連邦政府のリストラを進める。ホワイトハウスなどと連携し、政府の外から助言や指針を与える」と説明した。こうした方針は、共和党や保守派が伝統的に志向する「小さな政府」路線に沿っている。

 電気自動車大手「テスラ」や宇宙企業「スペースX」を率い、「世界一の大富豪」であるマスク氏は、今年7月のトランプ氏銃撃事件後に支持を表明。1億1855万ドル(約184億円)以上を投じて選挙運動を支援してきた。トランプ氏も選挙戦中、マスク氏を連邦政府の効率化を進める役職に起用すると発表していた。

 ラマスワミ氏も実業家出身で、今回の大統領選では共和党候補指名争いに参戦した。当初は知名度も低かったが、巧みな弁舌とトランプ氏に近い政策を訴えて支持を拡大。世論調査で独走したトランプ氏には及ばなかったが、一時は2位争いに加わった。【ワシントン秋山信一】

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