トランプ次期米大統領(右)とマイク・ハッカビー元アーカンソー州知事=10月29日、ロイター

 トランプ次期米大統領は12日、マイク・ハッカビー元アーカンソー州知事を次期駐イスラエル大使に指名する意向を表明した。政権発足後、上院で人事承認が必要になる。ハッカビー氏は保守的なキリスト教福音派の牧師出身で、イスラエル寄りの姿勢でも知られる。

 トランプ氏は12日の声明で「すばらしい公僕、知事、信仰の指導者であり、イスラエルを愛している。中東に平和をもたらすために休むことなく務めるだろう」と期待感を示した。

 米メディアによると、ハッカビー氏は2015年、イスラエルとパレスチナの問題を巡って「同じ土地を二つの国家が所有しようとすることは不可能だ」と述べ、パレスチナ国家樹立を前提とする「2国家解決」を否定する発言をしていた。

 イスラエルはパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻を続け、ヨルダン川西岸地区でもユダヤ人の入植地が増えて「国際法違反だ」と諸外国から批判されている。

 バイデン米政権はイスラエルを支援する一方で、その強硬姿勢には苦言も呈してきた。しかし、トランプ次期政権は親イスラエルの姿勢を一層強めるとみられている。

 ハッカビー氏は08年と16年の大統領選で、共和党候補指名を目指したが、いずれも指名獲得には至らなかった。娘のサラ・ハッカビー・サンダース氏は第1次トランプ政権でホワイトハウス報道官を経験し、現在はアーカンソー州知事を務めている。【ワシントン秋山信一】

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