京都府は21日、綾部市の犀(さい)川で国の暫定指針値の1.4倍となる有機フッ素化合物(PFAS)が検出されたと発表した。周辺の飲用井戸15カ所は全て暫定指針値を下回った。

 PFASは健康への影響が指摘され、国はPFASのうち代表的なPFOSとPFOAの合計の暫定指針値を1リットルあたり50ナノグラムとしている。府内では同市の犀川流域で特に値が高く、昨年8月の府の調査では上流に位置する支流の天野川で暫定指針値の56倍となったほか、その後の調査で周辺の井戸水1カ所も暫定指針値を超えた。府は犀川と周辺の井戸の水質変動などを確かめるため、今年8月に再び調査した。

 府環境管理課によると、8月上旬に由良川との合流地点に近い犀川の小貝(おがい)橋で暫定指定値の1.4倍にあたる72ナノグラムを検出した。この場所では昨年8月に220ナノグラムが検出されていた。

 周辺の飲用井戸では、15カ所のうち6カ所で4~24ナノグラムを検出、9カ所で不検出だった。昨秋の調査では、この15カ所とは別の1カ所で170ナノグラムを検出していたが、この井戸は廃止されたという。

 府は発生源と推察される天野川沿いの事業者に指導を続けており、排水放流時に使う活性炭の交換頻度を増やすことを求めているという。(西崎啓太朗)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。