東京都内で新型コロナウイルスの感染者が増えている。都によると、8~14日の定点医療機関あたりの患者報告数は7・56人(前週7・14人)で、10週連続の増加となった。都医師会は、昨夏のピークを上回る流行となる恐れがあるとして、マスクの着用や手洗いなど感染対策の徹底を呼びかけている。

  • コロナ感染者数、10週連続増加 入院者数は5カ月ぶり3千人超

 8~14日には416の定点医療機関から3146人の感染報告があった。年代別では10代が最も多く、50代、40代が続いた。

 都内の患者数は5月ごろから増加が続いており、都医師会の尾崎治夫会長は16日にあった定例会見で「昨年同時期の流行状況とかなり類似している」と指摘。「5類に移行して関心が薄れているが、このペースでいくと昨夏のピークより感染者が多く出るのではないか」と危機感を示した。

 尾崎会長は特に、猛暑が続く中で高齢者の体力や免疫力が低下しているとして、「暑さとコロナの発熱、のどの強い痛みなどが重なると、持病が悪化して重症化する可能性がある」と話した。

手足口病も「警報」続く 異例の早さで拡大

 また、手のひらや口の中に水疱(すいほう)状の発疹ができる手足口病も流行が続いている。子どもを中心に夏に流行する感染症で、定点あたりの患者数は16・39人と5週連続で「警報」レベルを超えた。都によると、都内では例年、8~9月にかけてピークを迎えるが、今年は異例の早さで感染が拡大している。アルコール消毒は効きにくく、せっけんでのこまめな手洗いやマスクの着用などが有効という。

 コロナや手足口病患者の増加を受け、小池百合子都知事は19日の定例会見で、「熱中症にも注意し、それぞれの状況に応じて対応策を講じていただきたい」と訴えた。(太田原奈都乃)

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