感染が拡大している新型コロナウイルスです。
宮崎県内の新型コロナの患者数は前の週の1.5倍に増加しました。
専門家は感染力の強い変異株に置き換わっているとして対策の徹底を呼びかけています。

県によりますと、県内58の定点医療機関で、今月14日までの1週間に確認された新型コロナウイルスの患者数は1702人で、前の週の1.5倍に増えました。

1医療機関あたりの患者数は29.3で、地域別では延岡保健所管内が43.3と最も多く、次いで高千穂保健所管内が33.5などとなっています。

年齢別では、15歳未満が全体のおよそ4割を占めている一方、警戒を強めているのが高齢者施設です。

都城市の介護付き老人ホームでは、新型コロナの感染拡大に伴って、今月2日から面会の制限を設けました。

(介護付有料老人ホームけあらいふ正寿の都 山路まさ子施設長)
「ご家族の方には申し訳ないけれども、お部屋にあがってもらうことは厳しくなって、ガラス越しで面会してもらっているところです」

この施設では、入居者と職員いずれも感染者はいないものの、職員の家族が感染した場合、その職員を出勤停止にするということです。

(介護付有料老人ホームけあらいふ正寿の都 山路まさ子施設長)
「皆さん高齢者の方なので、それぞれ慢性疾患、病気を持っていらっしゃる。コロナ感染になったときに本当に命取りになることがあるので、5類になったからっていう風な緩い考えは持つことはできない」

県内の感染状況について、微生物学が専門の峰松俊夫医師は、働く世代の感染が増加しているほか、抗原検査の陽性率が50%を超えるなど今後も感染者の増加は見込まれると指摘します。

(愛泉会日南病院 峰松俊夫医師)
「この状況は今年になって最高の検査陽性率。今年のお正月明けに第10波と言われるピークがあったが、そのピークは、今後1ヶ月以内には増えて(超えて)くるだろうという予想」

感染の再拡大に影響しているのが、全国的に流行している変異株「KP.3」。オミクロン株の派生株で、感染力が強いとされています。

県のゲノム解析の結果によりますと、今月14日までの2週間で確認されたすべての患者が「KP.3」系統だったということです。

(愛泉会日南病院 峰松俊夫医師)
「よく、皆さんたち、オミクロン株になって軽症になったとか言うが、今回の株は、私らが考えるに『若干、強毒に戻ったかな』という印象はあります。ワクチンをいろいろ打ってきたかと思いますけれども、その中でも、効きにくくかった株から出てきている。ゴールデンウィーク前後は『JN.1』株が主体だったので、ゴールデンウィーク前後にかかられた方は、今後もかかる可能性は十分にあると思ってください。」

リスクの高い高齢者への感染も増える中、峰松医師は、医療や福祉への負担を減らすためにも一人一人の感染対策が大切だと呼びかけています。

(愛泉会日南病院 峰松俊夫医師)
「症状があるとき咳が出ている時には、無理をせずにご自宅で療養していただきたい。いろんな感染対策あるが、マスクは安い割に効果が高いので、夏暑いということでなかなか着けるの難しいかもしれないが、マスクを着用していただけたらなと思う。社会全体で高齢者を守るという意識を持って、感染対策していただけるのが一番ではないか」

峰松医師は暑くなるとエアコンを使うことが多くなり、換気が不十分になるので時々、窓を開けてほしいとも呼びかけています。

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