札幌市は6日、梅毒の検査を受けた女性1人に対し、正しくは陽性だったのに誤って陰性と伝えていたと発表した。発覚まで1カ月かかった。匿名での検査だったため、女性本人に陽性の事実を伝えられておらず、心当たりのある人は早急に申し出てほしいとしている。

 市によると、女性は11月1日午前、札幌市西保健センターで検査を受けた。27歳としていた。

 検査機関から通知を受け取った職員が陽性の欄に印があるにもかかわらず、陰性と誤認。8日に女性と個別面談して検査結果を伝えた別の職員も、通知書の原本をよく確認せず陰性と伝えていた。

 女性の名前や連絡先はわからないという。心当たりのある人は同保健センターに電話(011・621・4241)してほしいと呼びかけている。

 誤通知に気づいたのは、検査から約1カ月経った12月6日だった。

 12月に入ってから、全く別の職員が、検査機関の通知書を元に正しい陽性人数の統計を市保健所に報告。センターは個別にどんな対応をしたかという報告もしており、6日正午すぎ、統計と個別報告数の数が合わないことに気づいた保健所から連絡があったという。

 市は「このような事態を招き、深くおわびします」とコメント。ダブルチェックの強化など再発防止策を講じるとしている。

 梅毒は細菌による感染症で、「50年に1度」ともいわれる規模で流行している。国立感染症研究所によると、2023年の感染者数(速報値)は、10年前の約12倍の約1万5千人だった。

 感染した粘膜や皮膚との接触でうつり、性行為のほか、キスでも感染することがある。胎盤を通じて母子感染する。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。