日本版ライドシェアの運行が8日始まったが、京都ではタクシー大手の「エムケイ」(京都市南区)が安全性や採算性の検証に時間がかかるとして当面社員のみで運行。一般ドライバーによる本格運用は5月以降になる見通しで、手探りの運用が続きそうだ。一方、2025年大阪・関西万博の開幕を約1年後に控え、今年秋から期間限定での独自案導入を計画する大阪府は、さらなる規制緩和を要望している。
「未知の領域だが、やる内容は一緒。迅速性、安全性、快適性を徹底的に励行してほしい」
エムケイホールディングスの青木信明社長は8日、京都市北区の営業所で開かれた出発式で、乗務員にこう訓示した。
エムケイによると、青木社長ら2種免許を持ち乗務経験がある管理職が中心となって当面対応し、営業車やグループ会社のレンタカーなどの遊休車両を活用する。この日は午後4時から同7時台まで営業した。
日本版ライドシェアは大阪府内でも、大阪市を中心とする営業区域で5月以降に解禁される見通しだ。
府が導入を目指す独自案は、府内全域で24時間の運行▽タクシー事業者以外の新規参入▽一般ドライバーへの業務委託▽運賃の変動制-といった内容。課題は日本版ライドシェアが、現状のタクシー不足を補う制度という点だ。
府は万博開幕後に発生する将来的な交通需要を見据えて、さらなる規制緩和を求めている。
府の試算ではピーク時に1日あたり最大約2400台のタクシーが不足するが、日本版ライドシェアでは最大200台しか賄えないと指摘。独自案を実現させるため、国に許可の基準や条件を緩和するよう求めている。
国は府などからの要望を受け、日本版ライドシェアの運行状況を踏まえて6月を目途にさらなる制度改正を行うかを決めるとしているが、吉村洋文知事は「これくらいの規制緩和は知事の判断で決めさせてほしい」と訴えている。
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