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 コメの品薄状態は解消されつつありますが、価格は依然として高止まりのままです。5キロ3000円を超える価格からなぜ下がっていないのか取材しました。

■コメの価格「去年と比べ約1.5倍」

10月に入ってからもコメの価格は上昇 この記事の写真 60代 主婦
「(Q.コメの価格を見てどう?)高いよね。どこまでいくんだろうと思います」 80代
「だいぶ高くなっているね、前と比べると」

 店の人によりますと、10月に入ってからもコメの価格は上昇し続けているといいます。

 復活したコメを前にしても、なかなか手を出せないという買い物客たち。

40代 主婦
「(Q.きょうはパンを買われていますけど?)コメの代わりにパンとかうどんとか、麺類を買っている」 40代
「麺類に頼りがちになりそうです。コメの高騰とかもありますし、安いです」 「(コメの価格は)去年と比べると1.5倍」 スーパーマルサン越谷花田店
八木栄樹店長

「(Q.コメじゃないものへの反応は?)パンが売れ行き良くなっていますね。あと麺類も少しずつ売れてきています。(コメの価格は)去年と比べると1.5倍ぐらい。1000円以上、上がっていますね。これだけ上がると買うのもちょっとためらっちゃいますよね」 定期的に赤字覚悟のコメ特売日を開催

 この店では、コメの価格が高騰しているなかでも、客足が遠のかないように、定期的に赤字覚悟のコメ特売日をやっているといいます。

八木店長
「うちはもう赤字覚悟でやりますんで。コメの特売や週末特売、ぜひチェックしていただいて。安い時にご利用いただくのが一番いいと思います」

 なぜ在庫があっても価格が下がらないのでしょうか?

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■コメ品薄解消しても「青田買い」

■コメ品薄解消しても「青田買い」

「青田買い」

 鹿児島県の農家は、文字通り「青田買い」が行われている実情を明かしました。

猩々農園 猩々義秋さん
「『コメを譲ってくれませんか』というようなことだった」 買い付けの業者が自宅を訪問

 普段は農協や常連の業者にしかコメを卸していませんが、7月以降は直接買い付けの業者が突然、自宅を訪問。電話でも問い合わせが相次ぎました。

猩々さん
「倉庫の前というかですね、ちょうど出てきた時に(業者が)来て話をさせてもらった。電話は2、3件くらいありましたね。一緒ですよ。『コメを分けてもらえないですか』というような」 5000円近く高い金額を提示

 普段の卸価格は、60キロで大体1万4000円だといいますが、そこから5000円近く高い金額が提示されました。

猩々さん
「(60キロ)1万8000円から1万9000円ぐらい。1万4000円くらいの相場ですから、だいぶ上がった気はしましたね。やっぱりコメが高くなるというのは、品物がないという証拠ですから」

 予想を上回る金額を提示されましたが、当時、売れるコメはもうなかったので断ったといいます。

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■来年は?「今年より悲惨な可能性」

■来年は?「今年より悲惨な可能性」

3000円台をつけたのは2004年以来20年ぶり

 総務省によると、東京都区部における9月のコシヒカリの価格は3285円で、3000円台をつけたのは2004年以来20年ぶりです。

価格の高止まりの要因

 価格の高止まりの要因、大量の一つはにコメを必要とする小売りや外食産業がコメの確保を前倒しせざるを得ない状況もあると卸業者は指摘します。

神明 営業本部 内河陽一副本部長
「外食産業との打ち合わせの機会が増えている。ただ、コメは1年に1作のものなので、そのご要望にすべてお応えして一気に供給してしまうと、この秋、次の秋、新米がとれるまで供給するものが全くなくなってしまうという状況に陥る」 キヤノングローバル戦略研究所 山下一仁研究主幹

 外食チェーンの中には、JAだけでなく全国各地のコメ卸と交渉し、調達先を増やす動きも出ています。

 来年への影響はないのでしょうか?

キヤノングローバル戦略研究所
山下一仁研究主幹

「(今年の)8月の末から9月ぐらいにかけて、本来ならばそこはその昨年産のコメを食べる時なのに 本年産の今年できたコメを先に食べたわけです。さらに今年も猛暑だったから、今年もまた白く濁ったコメとか、あるいはその割れたコメが出てくる可能性が高いわけですよね。そうすると、来年の端境期(はざかいき)7月、8月、9月はもっと今年よりも悲惨になる可能性があるわけです」

(「グッド!モーニング」2024年10月10日放送分より)

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