米連邦準備制度理事会(FRB)本部=米ワシントンで

 米連邦準備制度理事会(FRB)は9日、物価上昇(インフレ)沈静化を受け、4年半ぶりに政策金利を引き下げた9月17、18日の会合の議事要旨を発表した。FRBは利下げ幅を従来の2倍の0・5%としたが、複数の参加者は「0・25%の方が望ましい」との見解を示しており、利下げ幅を巡り内部で意見が割れていたことが明らかになった。

 議事要旨によると、ほぼ全ての参加者は、インフレ率がFRBの目指す2%に向かっているとの確信を深める一方、労働市場が悪化するリスクが強まっているとの認識を共有。「大半の参加者」が0・5%の利下げに賛成した。

 ただ、複数の参加者は「インフレ率はやや高止まりしており、0・25%の利下げの方が望ましい」と主張し、数人の参加者は「そのような決定を支持していた可能性もある」と理解を示した。「経済状況に合わせ、金融政策を評価する時間を確保できる」との理由で、小刻みの利下げを支持する意見も出ていた。

 結果的にインフレ再燃リスクを警戒するボウマン理事が0・25%の利下げを主張し、反対票を投じた。FRB理事による反対は2005年以来で、執行部内で意見が割れる珍しい事態となっていた。【ワシントン大久保渉】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。