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 人手不足から閉店した、早稲田大学の近くにある老舗の食堂が8日に営業を再開しました。「安くてうまい」店の生き残りにかけた思いとは?

■20年以上のハードワークで店支えるも…

1958年に創業の食堂「メルシー」 この記事の写真

 1958年に創業して以来、60年以上にわたって早稲田の街で愛されてきた老舗の食堂「メルシー」。

早稲田大学4年生
「全然変わらない味ですね。やっぱりこの味だというのを実感します」 現役早大生
「1年ぶりくらいに食べました。とてもおいしいです」 「ベストオブ“ワセメシ”」 24年間通う早大OB
「再会を待っていた味です。僕にとってベストオブ“ワセメシ”」 人気のしょうゆラーメン

 早稲田大学のキャンパスから歩いてすぐそばにあり、多くの早大生が足を運んできた早稲田のメシ、通称“ワセメシ”の名店です。特に人気のメニューは、煮干し・鶏ガラ・豚骨のだしが効いたしょうゆラーメンです。

早大OG 佐藤ちひろアナウンサー 早大時代に訪店
佐藤ちひろアナウンサー

「すごく久しぶりです。懐かしい、おいしいです。特に好きなのがスープなんですよ。さっぱりしているのにコクがあるんです!」 店主 小林一浩さん

 早大生の胃袋を満たす、数々の料理を作ってきたのは、店主の小林一浩さん(63)です。20年以上、週休1日で朝5時から仕込み作業を行い、営業中は休みなく働きハードワークで「メルシー」を支えてきました。

 しかし…。

小林店主
「うちで働いていたパートさんが2人一気に体調を崩しちゃって、ちょっと店をやっていくのは、難しいってことで」 今年6月、一時閉店

 今年6月、人手不足で一時閉店を余儀なくされました。

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■値上げ決断でも「一日でも長くやりたい」

■値上げ決断でも「一日でも長くやりたい」

 安くてうまい店が立ち並ぶ早稲田大学周辺。近年は、閉店する老舗が増えているといいます。

24年通う早大OB
「貴重ですよね。“天然記念物”ではないけど」 早稲田大学4年生
八重樫一生さん

「メルシーみたいな(町の)店は、“絶滅危惧種”に近いと思います」

 物価高騰の波が押し寄せる今、学生街の安くてうまい店は、絶滅の危機にひんしているといいます。それでも店を何とか復活させたいと、一時閉店中にもアルバイトの募集をかけてきた「メルシー」。

早稲田大学4年生 八重樫一生さん 八重樫さん
「少しでも恩返ししたいなという気持ちで、頑張りたいと思っている」 およそ3カ月で復活

 名乗りを上げたのは、現役早大生の八重樫さんです。学校がある日は2日に1回訪れるほどの常連でした。彼を含め4人のバイトが集まり、およそ3カ月で復活にこぎつけました。

「メルシー」のメニュー

 ただし、再開するにあたりすべてのメニューで50円の値上げを決断。

ラーメンは600円 オムライスは750円

 それでもラーメンは600円、オムライスは750円という破格の安さは守っています。

小林店主
「学生が多いということで値段を安く設定していたんですね。あんまり急に値段を上げてしまっても、うちのお客さんは安くておいしくて量があって来てるので、安く(維持)は精一杯かな。今は」 多くのファンが…

 8日、多くのファンが待ち受けるなか営業を再開した「メルシー」。厳しい経営状況ではありますが、久しぶりに戻ったにぎやかな光景に、店主の小林さんはこのように話します。

久しぶりに戻ったにぎやかな光景 小林店主
「うれしいです。お客さん離れる可能性もありますからね。一日でも長くやりたいと思います」

(「グッド!モーニング」2024年10月9日放送分より)

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