写真はイメージ=ゲッティ

 群馬銀行系シンクタンク「群馬経済研究所」は、県内企業の事業承継の現状についてのアンケート調査の結果をまとめた。従業員5人以下の企業は半数以上が「後継者不在」と答え、さらに4社に1社が「廃業を考えている」と回答。小規模な事業所ほど後継者不足が深刻な実態が明らかになった。

 アンケートは5月に郵送で配布、394社から回答を得た。県内企業のうち54・9%が「後継者・候補者あり」、45・1%が「後継者不在」と答えた。従業員51人以上の大規模な企業では「後継者不在」の割合が少なく、26・7%だった。

 後継者の有無と経営状況についても聞いた。「後継者・候補者あり」と回答した企業の半数以上が、過去5年間の経営状況が黒字基調だった。一方、「後継者不在」の企業で黒字基調は37・3%にとどまった。

 事業承継の課題を複数回答で聞いたところ、最多は「安心して承継できる経営状態の構築」で39・4%。「後継者・候補者あり」の企業に限ると「後継者育成」と「後継者への株式移転」が3割超だった。

 この他、過去10年間に実際に事業承継を行った企業に対して、円滑な事業承継のための工夫についても調査。「早期に後継者を選定した」「専門家に相談した」という企業が多かった。

 アンケート結果を踏まえ、同研究所は「専門家に相談し、その知見を活用することは、不確実性を減らす。効率的に事業承継を進めるのに有効な手段」としている。【庄司哲也】

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