県と県酒造組合がダムの中で日本酒を貯蔵する実験を始めた。1年を通して温度が一定なことを生かし、「ダム熟成」という新たなブランド化を図る。

きょう(17日)行われた村山総合支庁と県酒造組合による覚書の締結式。その場所は、山形市の馬見ヶ崎川上流にある蔵王ダムの中だった。

覚書の内容は、「ダムの内部できょうから最大3年間、日本酒を貯蔵するというもの」で、組合と7つの酒蔵の計2600本が運び込まれた。

蔵王ダムは堤体の内部が空洞となっている全国でも13基しかない珍しい構造。
ダムでの日本酒の熟成は、1年を通じて温度が10度前後と一定であることに着目した県の若手職員が発案した。

(発案者/村山総合支庁 山形統合ダム管理課・佐藤大輔技師)
「まだまだ知られていないダムのことを知ってもらえることがうれしい。それを日本酒を通して知ってもらえるのも新たな楽しみ」

今後、それぞれの酒蔵が熟成の度合いを見ながら、「ダムで熟成させた日本酒」として販売していく。

(県酒造組合・佐藤一良会長)
「お酒がどう変化するのか、酒蔵が実験する場にしたい。いろいろな酒が世界に出ている。必ず“古酒”というジャンルは入ってくる。これを県としてもいち早く勉強して取り組んでいきたい」

村山総合支庁は、9月20日から上山市の前川ダムでワインの貯蔵実験を行うという。

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