小林製薬本社があるKDX小林道修町ビル=大阪市中央区で、梅田麻衣子撮影

 小林製薬は17日、紅こうじサプリメントによる健康被害が相次いだ問題で、品質管理体制の改善や創業家に依存した経営からの脱却を盛り込んだ再発防止策を発表した。

 弁護士による事実検証委員会の報告書(7月23日付)は、健康被害の公表が遅れた原因について、経営陣の判断ミスや情報共有体制の不備、工場の管理体制のずさんさなどを指摘していた。

 再発防止策では、工場での定期監査の導入や社長を中心とする危機管理体制の整備を明記。製品の開発や製造の問題に対処する専門部署を新設する。

 健康被害の公表遅れの一因となった社長や事業部長らによる経営執行会議については、「創業家の意向をくんだ意思決定機関となっていた」として廃止する。

 小林製薬は健康被害を受け、8月に山根聡氏が創業家以外で初めて社長に就いた。再発防止策では「今後、創業家依存から脱却する。新社長が旗手となり『品質・安全ファースト』を旨とする経営のかじ取りを進める」と明記した。【妹尾直道】

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