旭化成とホンダは25日、電気自動車(EV)向け電池の主要部材の生産合弁事業で合意したと発表した。旭化成が日本政策投資銀行からの出資や、カナダ政府などからの補助金を受けて立ち上げる北米でのリチウムイオン電池用材料「セパレータ」の事業の工場にホンダが出資する計画。
工場はカナダ東部オンタリオ州に建設し、2027年に稼働する予定。投資額は約1800億円。今年10月をめどに工場運営の生産会社をホンダと合弁で設立する方向で、ホンダの出資額は今後詰めるが、旭化成が過半を出資する。
同日記者会見した旭化成の工藤幸四郎社長は北米市場のEV(プラグインハイブリッド車含む)比率が30年に58%に高まるとの見通しを示し、EV市場は踊り場の様相だが「中長期では成長する」と強調。追加の増産投資も視野に入れており、31年度にセパレータ商品「ハイポア」で売上高1600億円、営業利益率20%以上を目指すとした。
セパレータはリチウムイオン電池の正極材と負極材を絶縁する主要部材。北米では車載電池メーカーや自動車大手のEV関連投資が相次ぎ、主要部材の需要拡大が見込まれるため、旭化成は現地生産能力の増強で30%以上のシェアを獲得する狙い。一方、ホンダは今回の合弁で北米のEV用主要部材の安定調達を図る。
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