“秋の味覚”である秋サケがピンチです。

 9月5日朝、兵庫県香美町の香住漁港で行われたのは日本海の秋の味覚「ベニズワイガニ」の初競りです。

 台風10号の影響で小型の船が漁に出られず、初日の水揚げは10トンと例年より少ない中での初競りとなりましたが、威勢のいい掛け声とともに仲買人たちが次々と競り落としていきます。

 香住漁港で水揚げされたものは「香住ガニ」と呼ばれるブランドガニ。初競りでは、ご祝儀相場もあり、1匹最高50万円の値がつきました。

 これから来年5月まで行われるベニズワイガニ漁。ただ近年、心配があるようで…

 (但馬漁業協同組合 澤田敏幸さん)「海水温の上昇はかなり厳しいものがありますね。鮮度のいいものが鮮度が落ちたりだとか、あとは漁のときに生きているカニが死んでしまったりだとか。そういった大きな影響があります」

 海水温の上昇で影響が出ている秋の味覚は他にも。9月2日に北海道大樹町で秋サケの初水揚げが行われましたが、漁師からはこんな声が聞かれました。

 (漁師)「例年と比べても少ないかなっていう感じがします。今後に期待するしかないですね」

 秋サケの今年の見通しは厳しいようで…

 (北海道立総合研究機構・さけます資源部 藤原真部長)「平成以降では一番少ない来遊になるだろうという見込みになっています」

 秋サケの来遊数を見てみると一時は4212万尾あったものが2017年には1737万尾まで減少、今年はその数字を下回ると予測され、漁獲量も少なくなるとみられているのです。

 初水揚げではオス・メスともに去年よりも価格が上回り価格の高騰も心配されます。

 影響は関西にも。9月5日、大阪のスーパーを訪ねてみると、ロシアやチリなど、海外産のサケしか売られていませんでした。

 (越前屋・仕入統括部 稲岡総司さん)「いまは輸入物のサケしかないですね。(Q例年であればこの時期、日本産のサケは?)並んでいますね。例年でしたら今ぐらいから並んでいてもおかしくないんですけど、不漁で数が少なくなっていて値段も高騰していてなかなか店頭に置きづらくなっています」

 秋サケの数が少なく、仕入れたくても仕入れにくい状況になっているといいます。

 (越前屋 稲岡総司さん)「(Q今後、秋サケの見通しは?)9月の半ばくらいには若干ちょっと増えてくるんじゃないかなと。がんばって安くやっていきたいんですけど、価格は上がりそうですね」

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