(ブルームバーグ):スカンジナビスカ・エンスキルダ・バンケン(SEB)は、アジアの投資家が来年にかけて5000億ドル(71兆6850億円)規模のドルを売却、通貨にさらなる圧力がかかる可能性があると試算する。

これは、アジアの輸出企業が積み上げた預金、年金基金の過剰配分、運用会社や企業の相対的に低い為替ヘッジ比率という形で積み上がっていると、ナミック・イメルバック、ダナ・マラス両ストラテジストがリサーチメモに記した。

両氏はリポートで、「積極的なシナリオの場合、4000億ドルから5000億ドル相当の為替リバランスが発生する可能性」があり、米国の「例外主義から成長収束へ」というテーマとともに、2025年に向けてドル安が進むという見方を強めると指摘した。

 

日本と台湾の生命保険会社の為替ヘッジ比率は比較的低く、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は18年よりも外国債券への配分を増やしている、とSEBのストラテジストは記述。外貨預金(主にドル建て)もアジア全域で積み上がっているという。

3月末時点の各社の決算報告書を基にブルームバーグがまとめたところ、日本の大手生命保険会社のうち9社は、円高になった場合に損失を回避するためのデリバティブで外国証券を47%ヘッジしていた。これは11年9月以来の低水準だ。

米連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ9月の会合で利下げを開始するとの見方がある中、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は6月末から約3%下落、今年初めて四半期ベースで下落する見通しだ。

SEBのストラテジストは、アジアの外貨準備にはドルから他の通貨や金に分散投資する長期的な傾向もあるとし、「米ドルから分散投資する戦略的計画が続いている可能性がある」とみている。

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