ニデックの令和6年3月期連結決算の内容について説明する佐村彰宣最高財務責任者=大阪市中央区

ニデックが23日発表した令和6年3月期連結決算は売上高が前期比4・7%増の2兆3482億円で過去最高を更新した。最終利益は約2・8倍の1253億円だった。市況の悪化により、モーターやギア、インバーターを一体化した電気自動車(EV)向け部品「イーアクスル」の在庫の減損処理などの一時費用として598億円を計上したことが業績に影響した。

ニデックはイーアクスルを新たな「柱」として中国でのシェア拡大を進めていたが、価格競争の激化によって収益性が大幅に悪化。昨年10月に拡大路線から収益性重視へと方針を転換した。

佐村彰宣最高財務責任者(CFO)は「中国のEV市況はますます厳しくなっている。中国では量は追わず、欧州での(自動車大手)ステランティスとの合弁をきちんとやっていく」と説明。イーアクスル事業は6年度終盤にかけて収益性が改善するものの、「通期では赤字の見込み」とした。

一方、売上高の4割強を占める家電・商業・産業用製品は、クリーンエネルギー市場の拡大やインフラ関連設備の更新需要によって増収。コスト構造改革で収益性も向上し、全体の業績を牽引(けんいん)した。

令和7年3月期の業績予想は、売上高が2・2%増の2兆4千億円、最終利益は31・6%増の1650億円とし、いずれも過去最高を見込む。

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